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松本清張 熱い空気&小説 3 [小説・ノンフィクション]






信子が稲村家に家政婦として来てから2週間がたったある夜、春子が達也に信子の陰口をきいていた。

こっそり陰口を盗み聞きした信子の怒りは最高潮に達しその晩は寝付くこともできなかった。

信子はどう仕返しをしてやろうかと作戦を練るのであった。

信子は稲村家の妻・春子に仕返しをどうするか考えてた時、大東商事株式会社業務部から稲村達也宛てに速達が届いていた。
あて名書きが女文字である子ことを直感した信子は、やかんからでている湯気を利用して、ばれないように開封する。

手紙の内容は、富美子という女から不倫の誘いだった。
東京駅で待ち合わせして達也と1泊旅行に行く誘いの手紙だった。
達也は春子に内緒で女と付き合っていたのである。
手紙の内容からして水商売風の女性のようだ。
こっそり手紙を封筒に戻し何食わぬ顔をする信子であった。

その晩、達也は妻・春子に明日は学校の研究会で水戸に1泊で行くという。
この会話をふすま越しに聞いた信子は、無愛想な達也が、妻・信子には策を弄する才能を持っていると見直すのであった。

翌日、達也は水戸に行くと偽り不倫旅行に出かけた。妻・信子は、長男の父兄会に出席し家の中はしんと静かになった。

一昨日、3男の健三郎がアメリカのマッチで遊んでいた。
そこいらでこするとすぐ火がつく、テレビの西部劇などで良く見るマッチだった。

このマッチを想いだし、悪知恵を思いついた信子は、
健三郎にたまにはおばあちゃん孝行をしろと、老婆の耳掃除をすすめる。

健三郎は、信子の言いつけ通り、老婆の耳掃除を燃えやすいマッチでするのであった。

しばらくして、信子の耳に老婆の叫び声が響く。
マッチが発火に驚き老婆が耳を押さえ、苦痛で顔がくしゃくしゃに歪んでいる。

信子は、いそいで救急車を呼ぶ、自宅に着いた救急隊員から老婆は耳の鼓膜が破れているかもしれないと知らされる。

鼓膜のことまでは考えていなかった信子だが、この件で稲村家が大混乱になることは間違いなかった。
取り急ぎ、父兄会に参加している春子に電話連絡をするのであった。

達也は、学校の研究会と偽って水戸に行くと言いながら実際は東京駅から愛人とともに旅行中である。
さて、達也へはどう連絡を取るのだろうか、また、不倫旅行がばれずに済むのだろうか・・・

【次回をお楽しみに】






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